お金を増やす目的なら学資保険が不要である理由
ぼーさんです。
私は現在26歳ですが、大学の同期であったり会社の同期は今まさに結婚・出産ラッシュの大波が訪れています。
大学卒業後サラリーマンとして勤めていれば社会人5年目となり、自分の仕事のスタイルであったり立ち振る舞い方がそれなりに固まる年次になりました。
将来をある程度見越して人生設計ができる年齢になったとも言え、このタイミングで人生の大きな選択をするという人が増えています。
かくいうぼーさんも同様の理由でこの結婚ラッシュに乗っかり、2018年の3月に入籍をしました。
ぼーさんはまだDINKS(子なし共働き)ですが、周囲では徐々に子どもができた同期・友人がちらほら増えています。
そこで友人との会話で話題にあがるのが「学資保険に入るべきか否か」ということです。
学生時代は生産性皆無のしょーもない会話しかしてこなかった自分たちがいよいよ家計や資産運用・貯蓄について話す時が来たのかと思うと、まだ20代ではありますが時の流れを改めて感じます。
結論からいうと「学資保険はお金を増やす目的では全く不要」であるということです。ただし、以下に挙げるメリットを享受する目的で学資保険に加入するのはありだと思います。
学資保険とは
学資保険の必要性を考える前に、学資保険とはなんぞやというところから整理したいと思います。
学資保険とは、子どもの将来のための貯蓄を目的とした生命保険商品のひとつです。
子どもが自立するまでの一定期間(15〜22歳までの間)、月々支払う保険料が積み立てられ、満期を迎えたタイミングで積み立てた保険料よりも少し多い金額で受け取ることができるというものです。
学資保険のメリット
学資保険のメリットとしては、以下の3点が挙げられるのではないのでしょうか。
- お金を隔離できる
- 銀行預金より高い金利がつき、お金を増やすことができる
- 契約者に万一のことがあった場合、以後の保険料が免除される
ぼーさんの見解
学資保険のメリットに対する私の見解は以下の通りです。
1.お金を隔離できる
効果的な貯蓄の手段としてよくおすすめされるのが、給与から天引きする仕組みの構築です。毎月の給与から貯蓄額を差し引いた残りの金額で生活をしてしまえば、”貯蓄している”ことを意識せずとも貯蓄が可能になります。
ぼーさんも社会人として働いてから3年間で100万円を超える社内預金がいつの間にか貯まっており、外車を買いました。
現在は毎月の社内預金とは別に、8〜10万円の投資資金を給与口座から証券口座に移し、投資信託や個別株の購入に充てています。
自動的に天引きされる仕組みを構築しなくても自分の意志で天引きできているのは、自分の資産を最大化させたいという大きなモチベーションに拠ります。
将来にわたってこのモチベーションを継続できるかどうかはわかりませんが、少なくとも今のぼーさんには自動で天引きする仕組みは不要ということになります。
したがって、自分の意志が弱い(毎月の給与はあるだけ使ってしまう)ことを自覚している方や、将来を見据えて漠然とした貯蓄の必要性に迫られているものの、特段貯蓄に大きなモチベーションがない人にとっては効果的だということです。
2.銀行預金より高い金利がつき、お金を増やすことができる
金融リテラシーの多寡がモノを言いますが、学資保険を活用することで得られるリターンは、最も返戻率(リターン/保険料)が高いソニー生命でXXX%です。
保険期間(保険料として積み立てる期間)にも寄りますが、例えば18年、月払いで得られる返戻率108%は年率に換算すると0.5%を下回ります。
確かに銀行の普通預金(約0.001%)、定期預金(約0.1%)よりは遥かに高いリターンが得られますが、一方でコストの割安な投資信託・ETFで期待できるリターンは平均して3〜6%です。
また、学資保険は少なくとも10年以上は積み立てが必要であることを思えば、ある短期間を切り取るとマイナスになる(=元本割れ)するリスクのある投資信託・ETFも長期的に見ればプラスの数字が期待できることは過去の数字が示していますから、投資信託・ETFによる長期的な積み立ては資産形成を考える上で非常に相性がよいです。
お金を増やすという目的であればあえて学資保険に加入する必要はなく、他の選択肢を検討するべきと言えます。
3.契約者に万一のことがあった場合、以後の保険料が免除される
ぼーさん的にはこのメリットが一番意味がないなと思うのですが、仮に一家の大黒柱に万が一のことがあったとして、学資保険で賄えるのはせいぜい300万円程度です。そもそも大黒柱に万一のことがあった場合は、子どもの学費以前に遺された家族の日々の生活費をどう補填しなければいけないかを考えなければなりません。
万が一の保障として備えておくべきは割安な保険料で多額の保障が得られる掛け捨てタイプ定期保険です。万が一の時の子どもの学費分も遺された家族が必要とするコスト(保険として保障したい金額)に含めれば良いわけで、何もわざわざ学資保険で学費をカバーしなくてもよいわけです。
また、このメリットを享受しようとすると、保険の契約としては”特約の追加”となり、保険料が割高になり、満期の返戻率を押し下げることになります。
保険会社が大々的に打ち出している数字は最も返戻率が高くなる契約の形態で得られる数値です。特約の付加がなく、保険期間中の配当も一切付加しない形態です。学資保険ならではのメリットを活用しようとすると、広告に出ているような返戻率はそのまま享受できるわけではないということです。
では、どんな人が加入するべきか
学資保険に加入するべき人は、
- 自身に万が一のことがあった場合に家族の生活費用が賄えるほどの備えができている人
- 保険料として毎月の収入から強制的に天引きさせる仕組みを構築したい人で、投資信託等の投資には興味がない人
ぐらいかなと思います。
意外と学資保険に加入すべき人は少ないと思いますが、単に人に勧められたから・みんなが入っているからという理由で安易に加入してしまうことは避け、自分は何を目的に加入したいのか、なぜ必要なのかを考えることが重要です。