会社に染まると夢を語れなくなる

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グループディスカッションを見学しました

 

 今日、会社で研修風景を拝見する機会があり、グループディスカッションがありました。

 

参加者は入社8年目~10年目の中堅層で、ディスカッションのテーマは、課長として架空の新規プロジェクトを持ち寄り、自分のプロジェクトが最も良いことを周囲に認めさせ、予算の5億円を勝ち取ることが目標です。グループディスカッションなので、単純に自分の意見を押し通せば良いというわけではなく、他のメンバーの意見も傾聴した上で最終的にグループとしての意見を出さなければなりません。

 私はオブザーバーとして、議論の様子を見ていました。議論には参加していません。

 

議論は40分

 議論に与えられた時間は40分です。限られた時間の中で、グループとして意見をまとめなかればいけません。

 

 「まずはゴールを設定しましょう」と一人が提案します。

 「そうですね、賛成」とその他。

 

ここまではよかったですが・・・

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 このあと、「ゴールは何か」について35分間もっともらしく議論し続け、どのプロジェクトを採用するかという議論はわずか5分でタイムアップ。十分に議論しきれずに形だけ意見をまとめて終わりました。

 

 「ここはこういう前提であっているか?」

 「賛成です」

 「いやでもこういう視点も大事では・・」

 「確かに。この視点で考えると・・・」

 (以下また無限ループ)

 

 35分の議論の中で自分のプロジェクトが有位に働くように仕向け、それを察したメンバーがやんわりと断り、また自分の土俵に持ってこようと仕向け、またやんわりと・・の無限ループです。

 

 んー、さすが日本企業。ここで注目したいのは、彼らは誰もが知る一流の有名大学卒の、いわゆるエリートであるということ・有名大学を卒業したエリートばかりが集まっても、会社に染まってしまえば大した議論はできないということです。少子高齢化や環境問題などありきたりで薄いワードを並べながらそれっぽく議論をすることしかできなくなるのです。

 

 というか、所属の代表として自分のプロジェクトを周囲に認めさせることが使命なのに、自分の意見を通すという意思の見られる人はまるでいないのはどうなのか。

 

大企業勤務は高給だが空っぽ

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 大企業は伝統的な日本企業であればあるほど一人当たりの裁量は少なく、大したことはできません。ベンチャー企業や中小企業勤務の方と比較するとスキル的には圧倒的に劣っていると思います。

 それでも年収が高いのは大企業勤務の方で、世間的な評判も高いです。が、実態はこんなものです。私も含めて彼らよりも多くの仕事を捌き、裁量の大きい仕事をされている方は大勢いらっしゃると思いますが、彼らの方がはるかに高給であるというのもまた事実です。

 

架空でも将来を語れない

 架空の設定でも将来のビジョンや夢が語れないということです。当たり前といえば当たり前です。普段の仕事ではフィージビリティ(実現性)や潜在するリスクへの対策ばかり上司につっこまれ、あらゆるリスクに対してソツなく対応することが優秀とされているからです。(もちろんそういう方ばかりではなく、ビジョンを示して部下や組織を引っ張っていく本当に優秀な方もいます。)

 

 そんな人たちが自分自身の夢を持っているかというと、残念ながらそうではない方が多いのではと思います。死んだ魚のような目で通勤し、決められた時間仕事し、さらに死んだような目で帰路につきます。他の選択肢を取る思考もないですが、サラリーマンとしてとりあえず働いていれば家族を養ったり、数少ない休日を充実して過ごすことができるので、思考停止しているのでしょう。

 

夢とは何か

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 こんなことを言っておきながら、私も夢はありませんでした。就職を決めたのもそれがやりたい仕事だったのではなく、給料が高かったから。収入源を複数もったり、自分の資産について考えるきっかけを得てからは、当座は給与所得以外の収入を得ること・それによって会社に依存しない体制を築き上げることを目標にしています。