「お金を教えてやれなかった」という親が銀行員の勧めるゴミ投資信託に加入していた話
ぼーさんです。
北海道の田舎に住む、実家の父親が銀行員の勧める手数料のバカ高いゴミ投資信託に加入していた話です。
発端は実家への帰省
それは一昨年末、実家に帰省した時。
ふとした会話の中から発覚しました。
「面白い銀行員がいてな、付き合いでいくらか入ったんだ」
「ぼーさんよりも3つぐらい年上の感じのいい兄ちゃんでな、いつも新しい情報をくれるんだ」
父親は現在65歳を超えていますが、今もなお働き続けており、年金もまだ受給していません。
実家に金融資産がどれぐらいあるかはあまり知りませんが、少なくとも田舎の一軒家で母親と2人で老後を暮らすのに不自由はしなさそうな様子です。
”銀行員が勧める”というので嫌な予感がしたぼーさんは、すぐに加入した投資信託の内容を確認しました。
投資信託の内容
嫌な予感は見事に的中し、、、
購入手数料3%、年間の信託報酬1.5%の高コスト投資信託に加入していました。
投資資金は800万円。
投資元本800万円に対し、1.5%の信託報酬がかかっているということは、投資成績の良し悪しに関わらず、毎年12万円を無条件で金融機関に差し出していることになります。
「お金の大切さを教えてあげられなかった」ことを後悔していた父親
ぼーさんが社会人として働くようになり、父親とお酒を飲めるようになってから言われたことですが、今でも心に残っている一言があります。
「お金を教えてやれなかった」
田舎の一般的なサラリーマン家庭で生まれ育ったぼーさんは、現在まで金銭的に不自由なく両親に育ててもらいました。
高校卒業後の進路に一切口を出すことなく、ぼーさんの考えを常に尊重してくれました。都内の私立大は通うだけの金銭的補助は田舎の一般家庭にはそれなりに打撃を与えますが、仮に私がその道を選んだとしても最大限の援助を厭わなかったそうです。
大学時代は手にするお金は少なかったものの、やりたいことを制限される経済状況ではなかったし、「自分の生活費は自分で稼ぎなさい」という教えもなかったため、実家からの仕送りで生活し、アルバイトで得たプラスアルファの収入があればなおよし、という具合でした。
社会人になってからは当然自分で得た収入で生活しているわけですが、1人で生活するだけであれば何不自由ない収入です。収入が上がれば上がった分消費に回し、お金の心配をした記憶はほとんどありません。
改めて考えてみると、お金には不自由なく今まで過ごさせてもらった私ですが、それ故「お金とは何か・お金の大切さを知っているか」と問われると、やはり自信はありませんでした。
生活をしていく上でお金は切り離せない関係なので、お金に強くなりたい、という気持ちは就職活動をする上で1つのポイントにもなっていました。
上京し金融機関に就職したわけですが、お金を扱う業種なだけあり、やはり金融に関する学びは非常に多いです。
同時に、日本人の金融リテラシーの低さと、金融リテラシーの低さを前提として成り立っているビジネスであるということは確信を持って言い切れます。
ただし、金融機関に勤めたから自分の金融リテラシーが上がったことはなく、就職はあくまでお金そのものに興味を持つきっかけに過ぎず、自分で調べたり、書籍を購入して知識を身につけることによるものが大きいです。
こうしてお金の基本・知識を学んでいた中で、実の父親が典型的な「カモ」として金融機関を潤すためだけの金融商品を購入してしまいました。
「お金の大切さを教えてやれなかった」と後悔していた父親ですから、私よりもお金や投資については詳しいイメージをぼんやりと抱いていたので、余計に衝撃を受けたことを今でも覚えています。
私は金融機関がどんな手口で顧客をカモにしているか、なぜ金融機関の勧める金融商品が検討に値しない商品しか扱わないかを熱心に説明しました。
購入手数料無料(ノーロード)の信託報酬0.2%程度のインデックスファンドに入って毎年コンサル料として10万円をぼーさんに払ってもお釣りがくるぞ、と。
あまりの剣幕に親もさすがに面を食らっていました。
そのお金は当然私のものではなく、親自身が自分で稼いだ親のお金です。どんなお金の使い方をしようが私にとって関係はありませんが、そのお金は失っても生活に支障をきたさない余剰資金であるとはいえ、自分自身が働いて稼いだお金のはず。
毎年12万円の損失が痛くもかゆくもないはずがない。
それを手数料という名目で年々食いつぶされていく事実を親に伝えたかったのです。
金融機関を責めてはいけない
金融機関がなぜ手数料の高い金融商品しか販売しないかというと、単純に儲かるからです。金融機関側が儲かる商品ばかり販売できるのは、顧客の金融リテラシーが圧倒的に低いからです。
私は金融リテラシーの低さは自己責任に他ならず、悪いのは顧客側にあると考えています。
得体の知れない占い師から運気が上がる謎の壺を買っているのと同じで、買えば銀行預金よりいくらか利子がつきますよ、という言葉を鵜呑みにして、思考停止して買っているだけです。最終的に購入を判断したのは自分なのですから、人のせいにしてはいけません。
壺を売る怪しげな占い師は疑うかもしれませんが、相手が銀行・金融のプロというだけで絶対の信頼を置き、この人なら大丈夫だろうと信じた自分が悪いのです。
その後
私が投資を始めるきっかけとなった本と、銀行のビジネスモデルを解説した2つの書籍を実家に送りました。その後の親からのアクションはありませんが、少なくともぼーさんの(怒りに近いw)熱意は余すところなく伝えたつもりです。
自分を変えることができるのは自分自身です。周りがとやかく言っても自分自身が行動しなければ意味はないし、実の子どもであれば尚更です。
子どもとしてではなく、いち金融機関の人間としてできることを伝えたつもりです。
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